このような時代だからこそ、
「地元密着の地方百貨店」が
求められている。

インターネットの普及、身近にはコンビニエンスストアの開業、郊外には全国規模のショッピングモールなど、今や「百貨店『冬の時代』」と言われ、特に中規模の地方百貨店の閉店が数多く報じられています。果たして地方百貨店は、時代の移り変わりと共にその役割を終えて、このまま衰退していくのでしょうか。
私はそうは思いません。このような時代だからこそ、地元密着の地方百貨店が求められるのではないでしょうか。大手ECサイトでのショッピングや、フリマアプリに代表されるようなリユース需要は確かにリアル店舗の売上に大きな影響を及ぼしています。しかしながら、少子高齢化が進む地方都市においては、お客様の声をすぐに反映できる、小回りのきく百貨店が、今後求められるのではないかと考えています。リアル店舗を持つ私たちは、お客様の持っておられる悩みや要望を身近で直接聞くことができ、豊富な商品知識で、顔と名前の分かるお客様に適切なご提案をし、満足なお買い物をしていただくことで「幸福な体験」をご提供することができます。それは、「鶴屋で買ってよかった」という感動に繋がり、その想いは、お子様やお孫様にも代々受け継がれていくことでしょう。
また、私たちには、熊本の県産品をギフトとして扱ってきた商品開発のノウハウがあります。全国の有名ブランドを集めるだけでなく、熊本の県産品を全国に広めることで、地元の経済発展にも貢献することが出来ます。
熊本の商環境はこの数年でガラリと変わり競合店も増えましたが、鶴屋は熊本の商店街の一等地に立地し、広い売場面積を持っています。社員全員の力でさらに魅力ある売場に変えていくことで、これからもお客様に支持していただける店づくりを目指します。
鶴屋百貨店には、地方百貨店ながら数々の「全国初」や「全国一」という偉業を成し遂げてきた歴史があります。それは、社員が生み出す新しいアイデアを役職や年齢に関係なく取り入れる包容力や、スピードを持って事業化する自由闊達な社風があったからです。この社風と当社の企業としての使命は今も昔も変わりませんが、商品やシステムは時代とともに変化します。百貨店は「変化対応業」です。変化に素早く対応していくには、一人ひとりが情熱をもって仕事に向き合わなければなりません。時代やお客様の変化に対する「気づき」を元に、新しいことを生み出すための「トライ＆エラー」を繰り返しながら、より良い鶴屋を、情熱あふれる皆さんとともに創っていけたらと期待しています。